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2025/07/05

神棚

こんにちは。7月に入り東海地方の梅雨も明けましたね。今年は梅雨が無かったかのようですね。湿度が高く、蒸し暑さがこたえますが、もうじき聞こえてくる蝉の声を楽しにしています。
さて、今回は神棚についてお話ししたいと思います。あくまで個人的な内容なことをご了承ください。
住宅の仕事をしていると、施主から神棚についての要望があります。その際よくある相談が、設置する場所についてです。私の考えは、方位や場所にこだわりすぎるのではなく、家族がよく目にする場所や家族が集まる所がいいのではと思っています。生活動線と極端に離れた場所では、神様に対する意識も遠くなりそうですし、お水や榊(さかき)の取り替えなどにも億劫になってしまう事もあるかもしれません。やはり日々の生活に溶け込み、自然と習慣になることが、暮らしも美しく豊かになると考えています。
そして、神棚の素材ですが、おすすめは桧です。神話に登場する三貴神の一柱、須佐之男命が生み出したとされる桧や杉があります。その時に、桧は立派な建物を作るときに使え、という言い伝えがあるからです。ですので、神様の拠り所となる神棚には桧が適しているのではと思っています。お祀りする神様は、自宅の近くにある神社の氏神さまや、お好きな神様でよいのではないでしょうか。神棚を構え、神様を意識した生活というのはとても素敵だと思います。
最後に、今回のお話しはあくまで私個人の考えであります。正統な作法などしっかり取り組みたい方は、ちゃんとリサーチすることをおすすめします。

神棚2
神棚2
神棚3
神棚4

2025/06/18

蔵リノベーション 完了

こんにちは。
梅雨だというのに暑い日が続いていますね。皆様熱中症などにお気をつけてお過ごしください。さて、春から着手した蔵のリノベーションも漸く完了を迎えました。雨漏りや虫害によりいたみのはげしい部分は下地をやり替え、補強を施しました。開口部は既存の建具をリペアしつつ、開閉可能な窓を追加しています。以前はこもりがちだった空気を自然に換気できるようにし、湿気から建物を守るよう配慮しました。
これまでは物を保管するためだった蔵ですが、これからは人と作品が集まる場所になります。
この貴重な建物を残し、新たな息吹を宿すことを決断した施主には脱帽 です。私もこの建物を直すことができて嬉しく思います。150年前の大工も壊されずにまだまだ使われていく事を知ったら嬉しいんじゃないでしょうか。
ここから先は、バトンを受け取った構木築志がこの建物をしっかりと見守っていきます。

蔵リノベーション 完了2
蔵リノベーション 完了2
蔵リノベーション 完了3
蔵リノベーション 完了4

2025/06/14

福井旅行

こんにちは。皆さんいかがお過ごしでしょうか?先月のゴールデンウィークに家族で福井県にある曹洞宗の総本山、永平寺を見学させて頂きました。私はモノをつくる職業柄、日本人の性質やアイデンティティなどに思いを巡らせる事が時折あります。縄文の一万年続いた平和な日々や今も神話で紡がれる神道のロマン、仏教が教える哲学などなど、考えるとワクワクしてしまいます。
思うことは、私達の心の源泉は遥か彼方から今も繋がっている。そんな気がしてなりません。ですから、時代が変わっても変わらない価値や、美的なものを少し立ち止まって探すのです。今回の旅は騒がしい日常から離れ、自然の静けさのなで落ち着いて心を見つめたい。そんな目的でした。(妻には内緒)しかし、遊び盛りの子供達との旅はやはりワイワイガヤガヤ、思いを馳せる余地など一切なかったのでした。笑
ですが、家族一丸となる大冒険は、沢山の幸福を感じることができた良い旅となりました。これを新たな糧とし、お客さまのため、社会のため、いっそう精進してまいりたいと思います。引き続き、構木築志を宜しくお願い致します。

福井旅行2
福井旅行2
福井旅行3
福井旅行4

2025/05/30

牧之原の平屋引き渡し

昨年夏にスタートした新築住宅の引き渡しが先月無事に完了致しました。
この建物は静岡県産材を使い手刻みで建てさせて頂きました。プレカットとの違いをざっくり言うと、大工が建物を構成する全ての材に目を通し、材の性質をふまえ適材適所に配置し継ぎ手や仕口を加工していく点です。そのためプレカットよりコストは上がります。しかし一つ一つの構造の全てに大工が責任を持って仕事をします。昔から建前の前の晩は不安で眠れないとよく話題にありました。最近では構造はプレカット屋、間違いがあればプレカット工場から作業員が直しにくる。そのため大工が構造に責任を持つことが少なくなりました。その弊害は職人の知識や技能の低下として少しづつ現れているのではないかと思っています。社会状況からみても短期的な利益を取らざるを得ないことも重々分かります。それでも今回のように職人の手仕事に興味と理解を持ってくれる施主は本当にありがたいです。このような応援してくれる人たちに報いるためにも技術や建築文化の継承のため、少しでも多く職人の手仕事を続けて行きたいと思っています。

牧之原の平屋引き渡し2
牧之原の平屋引き渡し2
牧之原の平屋引き渡し3
牧之原の平屋引き渡し4

2025/04/19

蔵リノベーション(土庇)

工場で加工していた土庇の取り付けが完了しました。
既存庇と同じ勾配、軒の出とし、既存の雰囲気を残しつつも垂木の断面寸法を一寸八分
の二寸五分と少し大きめにする事で瓦と蔵の重厚な雰囲気に調和するデザインを目指しました。8メートルほどの丸桁は杉の磨き丸太とし、瓦葺きの荷重を四寸柱3本で支えています。丸桁の加工は久々で材料も希少で高価なことから失敗は許されず、緊張感のある1週間でしたが楽しい一時でもありました。無事に納まり一安心です。

蔵リノベーション(土庇)2
蔵リノベーション(土庇)2
蔵リノベーション(土庇)3
蔵リノベーション(土庇)4