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2025/05/30

牧之原の平屋引き渡し

昨年夏にスタートした新築住宅の引き渡しが先月無事に完了致しました。
この建物は静岡県産材を使い手刻みで建てさせて頂きました。プレカットとの違いをざっくり言うと、大工が建物を構成する全ての材に目を通し、材の性質をふまえ適材適所に配置し継ぎ手や仕口を加工していく点です。そのためプレカットよりコストは上がります。しかし一つ一つの構造の全てに大工が責任を持って仕事をします。昔から建前の前の晩は不安で眠れないとよく話題にありました。最近では構造はプレカット屋、間違いがあればプレカット工場から作業員が直しにくる。そのため大工が構造に責任を持つことが少なくなりました。その弊害は職人の知識や技能の低下として少しづつ現れているのではないかと思っています。社会状況からみても短期的な利益を取らざるを得ないことも重々分かります。それでも今回のように職人の手仕事に興味と理解を持ってくれる施主は本当にありがたいです。このような応援してくれる人たちに報いるためにも技術や建築文化の継承のため、少しでも多く職人の手仕事を続けて行きたいと思っています。

牧之原の平屋引き渡し2
牧之原の平屋引き渡し2
牧之原の平屋引き渡し3
牧之原の平屋引き渡し4

2025/04/19

蔵リノベーション(土庇)

工場で加工していた土庇の取り付けが完了しました。
既存庇と同じ勾配、軒の出とし、既存の雰囲気を残しつつも垂木の断面寸法を一寸八分
の二寸五分と少し大きめにする事で瓦と蔵の重厚な雰囲気に調和するデザインを目指しました。8メートルほどの丸桁は杉の磨き丸太とし、瓦葺きの荷重を四寸柱3本で支えています。丸桁の加工は久々で材料も希少で高価なことから失敗は許されず、緊張感のある1週間でしたが楽しい一時でもありました。無事に納まり一安心です。

蔵リノベーション(土庇)2
蔵リノベーション(土庇)2
蔵リノベーション(土庇)3
蔵リノベーション(土庇)4

2025/04/03

小屋裏リノベーション

静岡市駿河区で小屋裏のリノベーションが進行中です。
掛川市を拠点とする設計事務所様から施工依頼があり約2ヶ月、工事は順調に進み無事完了がみえてきたした。残す工事は建具吊り、塗装、器具付けです。その後は養生はがし、掃除、現場に浸る、というお楽しみの一時までもう少し。

小屋裏リノベーション2
小屋裏リノベーション2
小屋裏リノベーション3
小屋裏リノベーション4

2025/03/30

玄関建具

新築中の玄関建具の吊り込みが完了しました。
この建具は杉の赤身を柾取りした框組片引戸です。引手には硬さのある桜を使用しています。玄関ポーチには十分な軒先を設けることで、雨がかりを少なくし木製の建具でも安心して使えるように配慮しています。塗装は柿渋とすることで経年の変化も楽しめる仕上げにしていきます。

玄関建具2
玄関建具2
玄関建具3
玄関建具4

2025/03/28

造作キッチン

進行中の新築住宅に設置するキッチンがまもなく完成します。ラワンの面材は落ち着いた色みで揃え、優しい雰囲気にしています。キッチンは設計するのも作るのも初めての試みでした。先輩方の書籍や写真などを参考にしながら進め漸く姿がみえてきました。キッチンは機械や給排水設備などが密に関わってくるので、それらをしっかり納める事と使い易さを同時に考えながらの作業でした。設備の承認図には知りたい寸法がなかったりで苦戦しましたがなんとか収まりそうです。これからステンレスのワークトップを乗せ、現場でコンロや給排水の接続をして完了です。

造作キッチン2
造作キッチン2
造作キッチン3
造作キッチン4